オイルフィニッシュ製品の使用上の注意
当ショップでは基本的にラッカーやウレタンなどの樹脂系塗料は使用せず、天然のオイルでの仕上げを行なっています。
これにより木、本来の質感、手触りを体感でき、また経年変化による味わい深さも手に入れることができます。使っているうちに塗装が剥げてボロボロになることもありません。
ただし、樹脂系塗装品と全く同じ扱いをしないほうが良い部分があります。特に難しいことではありません。その点について少し。
注意点①べちゃべちゃに濡らさない。
オイルには防水効果があるので雨などで少し手が濡れた状態で触るぐらいなら問題ありませんが、ずっと水に濡れるような使い方をするとシミのような跡ができたり、表面が毛羽立つ可能性があります。濡れた時はなるべく早めに拭き取りましょう。
注意点②直射日光は退色を早める。
日光が全く当たらない場所で使うわけはないと思うので気にしすぎることはありませんが、あまりガンガンに陽に当たっていると色褪せとオイルの抜けが早まります。
ポイント:たまにオイルで手入れをしてあげる。
そんなに頻繁に行う必要はありません。ちょっと色が薄くなったかな、または表面がカサカサしてきたかな、と感じたら、オイルを塗り込んであげると質感が復活します。
製作時に使用しているオイルは木工用の専用亜麻仁油(リンシードオイル)です。Amazonやホームセンターで手に入れることもできますが、スーパーで売られている食用の亜麻仁油でも代用できます。亜麻仁油以外では、クルミ油、エゴマ油でも大丈夫。これらは時間が経つと乾燥するのでコーティングとして使えます。
逆に、サラダ油やオリーブオイルは固まる種類ではないので、塗るとベタつき感が残ってしまうので注意。
オイルを使ってお手入れをする時は、きれいな布などにオイルを少量取って、木に塗り込むようになで回します。
まんべんなく塗れたら、1日ほど乾かして、使用前に乾いた布で拭きあげればOK。
もし思いっきり汚してしまったら
ホットドッグのケチャップをつけてしまった、車の整備中でグリスを付けてしまった。
そんなときは、布(雑巾)に、水か、ぬるめのお湯をつけ、よく絞ってから拭き取ります。まだ落ちない時は水に少量の中性洗剤を混ぜてみてください。洗剤の成分が残るのも良くないので、洗剤の使用後は再び水だけの布で拭き取ってください。
グリスはそれでも落ちないかもしれません。その場合はもうパーツクリーナーを布に染み込ませて拭いてください。
オイル成分も抜けてカサカサになりますが、先述した方法でオイルを塗り込めばかなり回復するはずです。
もし傷がついてしまったら
この部分は樹脂系の塗装品より圧倒的にリカバリーができます。表面に塗膜の層などがあるわけではないので、傷を紙やすりで落としてしまい、再びオイルを塗ってあげれば良いのです。
傷の深さにもよりますが、320番前後の番手の紙やすりで傷が見えなくなるまで磨き、仕上げに400〜600番くらいの紙やすり、もしくはスポンジヤスリでツルツルに磨き、あとは先述の方法でオイルフィニッシュを施せばOK。
上手に扱えば半永久的に、美しく味わいを持ったグリップを使い続けることができます。